クウォーツ(水晶)

神秘の魂への あ・れ・こ・れ

1月31日皆既月食に思いを寄せて『竹取物語』を読見込む-①

物語は始まります

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ある日、翁が竹林にでかけると光り輝く

竹があった

不思議に思って近寄ってみると

中から三寸(約 9 cm)程の可愛らしいこと

この上ない女の子が出て来たので

自分たちの子供として育てることにした

 

その後、竹の中に金を見つける日が続き

翁の夫婦は豊かになっていった

翁が見つけた子供はどんどん大きくなり

三ヶ月ほどで妙齢の娘になったので

髪を結い上げる儀式を手配し、裳を着せた

この世のものとは思えない程の美しさで

家の中には暗い場が無く光に満ちている

翁は、心が悪く苦しいときも

この子を見れば消えた

 

この子はとても大きくなったための

※御室戸斎部(みむろどいんべ)※

※斎部氏は朝廷の祭祀を司る氏族※

秋田を呼んで名前をつけさせた

秋田は「なよ竹のかぐや姫」と名づけた

このとき人を集めて詩歌や舞など

色々な遊びを催し、三日に渡り盛大な祝宴をしたf:id:cm-0116:20180129194619p:plain 

世間の男は、その貴賤を問わず皆どうにかして

かぐや姫と結婚したいと

噂に聞いては恋い慕い思い悩んだ

その姿を覗き見ようと竹取の翁の

家の周りをうろつく公達は後を絶たず

彼らは翁の家の垣根にも門にも

家の中にいる人でさえかぐや姫

容易に見られないのに、誰も彼もが夜も寝ず

闇夜に出でて穴をえぐり

覗き込むほど夢中になっていた 

 

  そのような時から、

   女に求婚することを

   「よばひ」と呼ばれたそうです

  今と意味がちょっと違うような・・・・

此処での「よばひ」とは?

夜に這い」の語は本来結婚を求める

「呼ぶ」に由来する言葉とされている

ここでは「夜に這い回る」を

語源とする新解釈を創作しているそうです

  失礼しました

 

 その内に、志の無い者は来なくなっていった

最後に残ったのは色好み五人の公達で

彼らは諦めず夜昼となく通ってきた

五人の公達は、石作皇子、車(庫)持皇子、

右大臣阿倍御主人、大納言大伴御行

中納言石上麻呂といった

 これを見て翁がかぐや姫

「仏のように大切なわが子よ、

※変化の者※とはいえ

※神仏が人の形をとって顕現した姿、

       または化物の類※

翁も七十となり今日とも明日とも知れない

この世の男女は結婚するもので

あなたも結婚のないまま

いらっしゃるわけにはいかない」

と言うとかぐや姫は、良くもない容姿で

相手の深い心も知らずに結婚して

浮気でもされたら後悔するに違いないとし

「世の畏れ多い方々であっても

深い志を知らないままに結婚できません

ほんのちょっとしたことです。

『私の言う物を持って来ることが出来た人に

お仕えいたしましょう』

と彼らに伝えてください」と言った。

夜になると例の五人が集まって、

或る者は笛を吹き、或る者は和歌を詠い

或る者は唱歌し、或る者は口笛を吹き

扇を鳴らしたりしていた。

翁は公達を集めてかぐや姫の意思を伝えた。

 

その意思とは石作皇子には「仏の御石の鉢」

車持皇子には「蓬莱の玉の枝

(根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝)」

右大臣阿倍御主人には

「火鼠の裘

 (かわごろも、焼いても燃えない布)」

大納言大伴御行には「龍の首の珠」

中納言石上麻呂には「燕の産んだ子安貝

を持って来させるというものだった

どれも話にしか聞かない珍しい宝ばかりで

手に入れるのは困難だった。

 

石作皇子は大和国十市郡の山寺にあった

只の鉢を持っていき嘘がばれたが

鉢を捨ててまた言い寄ったことから

思い嘆くことを※「はぢを捨てる」※

 「鉢を捨てる」と「恥を捨てる」※

と言うようになった。

 

車持皇子は玉の枝の偽物をわざわざ作ったが

その報酬を支払われていない職人たちが

やってきて偽物と発覚、長い年月姿が

見えなかったことから※「たまさがなる」※

 ※「玉(玉の枝)が悪い」と

     「魂(性質)が悪い」※

と言うようになった

 

阿倍は唐の商人から火鼠の皮衣を購入した

この衣は本来燃えぬはずであったが

姫が焼いてみると燃えたので贋作と分かり

阿倍に因んでやり遂げられないことを

※「あへなし」※

「阿倍なし」と「敢へなし」

   ("敢えない"、張り合いがない)

と言うようになった

 

大伴は船で探索するが嵐に遭い

更に重病にかかり両目は二つの李のようになり

世間の人々が「大伴の大納言は、

   龍の首の珠を取りなさったのか」

「いや、御目に二つ李のような珠を

   つけていらっしゃる」

「ああたべがたい」と言ったことから

理に合わないことを※「あなたへがた」※

「あな食べ難」(ああ食べにくい)と

   「あな堪へ難」(ああ耐え難い)

と言うようになった

 

石上は大炊寮の大八洲という名の

大釜が据えてある小屋の屋根に

上って子安貝らしきものを掴んだが

転落して腰を打ち

しかも掴んだのは燕の古い糞であり

貝は無かったことから

期待外れのことを※「かひなし」※

※ 「貝無し」と「甲斐なし」

と言うようになった

 

その後

中納言が気弱になり病床にあることを聞いた

かぐや姫

※「まつかひもない」※

※ 『年を経て浪たちよらぬ住吉の

   まつかひなしときくはまことか』

"幾年も経って浪が打ち寄せなくなった

 住吉の浜の「松」のように待っていたのに

「貝がない」なら、「待つ」「甲斐がない」

     と聞くけれど、本当なの?"

と見舞いの歌を送ると中納言はかろうじて

※かひはなくありけるものを※

※ 「かひはなく有りける物をわびはてて

    しぬる命をすくひやはせぬ」

"かい(貝・甲斐)は無かったけれど

 思い悩んで死んでいく命を

  かい(匙)で掬うように

  救ってはくれないのか"。※

と返歌を書き息絶えた

これを聞いてかぐや姫

少し気の毒に思ったことから

少し嬉しいことを「かひあり」(甲斐がある)

と言うようになった

結局

かぐや姫が出した難題をこなした者は

誰一人としていなかった

 

  難題過ぎたかも知れませんね

  少し、冷たすぎませんかね~

 

そんな様子が帝にも伝わり

帝は姫に会いたがった

使いとして内侍中臣房子を派遣し

房子は嫗にかぐや姫と対面させるよう迫るが

再三の説得にも関わらずことごとく拒絶される

この事を帝に伝えると

帝は一旦は思いとどまったものの

やはり会いたくなり、翁を呼び出して

「姫を差し出せば官位をやる」と告げる

喜ぶ翁の取りなしにもかかわらず

かぐや姫

「帝がお召しになって仰られたとしても

      畏れ多いとも思いません」

と言い姿を見せようともしない

  強気で良いですね!作戦?

帝は

「多くの人を殺してきた心であるよ」

と言ったが、なおこの女の心積もりに

負けてなるものかと諦めない

かぐや姫

「無理にお仕えさせようとなさるならば

  消え失せてしまうつもりです」と翁に言った

翁がこの事を帝に伝えると

帝は狩りに行幸するふりをして

会うことを提案する、翁もそれに賛同した

 

 帝が狩りに行くついでに不意をつき

かぐや姫の家に入ると

光に満ちて清らかに坐っている人を見た

帝は初めて見たかぐや姫を類なく美しく思い

神輿を寄せて連れて行こうとしたが

姫は一瞬のうちに姿(実体)を影(光)と化した

本当に地上の人間ではないと帝は思ったが

より一層すばらしい女だと思う気持ちが抑えがたい

帝は、魂をその場に留め置いている心地で

かぐや姫を残して帰った

  帝様、ますます欲しくなりましたね~

  スッカリ虜です・・・

 日頃仕えている女官たちを見ると

かぐや姫の近くに寄っていられる人さえない

他の人より清く美しいと思っていた人は

あのかぐや姫に比べると人並でもない

かぐや姫ばかりが心にかかって

ただ一人で過ごしている

かぐや姫のもとにだけ

手紙を書いて文通している

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 帝と和歌を遣り取りするようになって

三年の月日が経った頃

かぐや姫は月を見て物思いに耽るようになった

八月の満月が近づくにつれ

かぐや姫は激しく泣くようになり

翁が問うと

「自分はこの国の人ではなく

月の都の人であって

十五日に帰らねばならない

ほんの少しの間ということで

あの国からやって来たが

この様にこの国で長い年月を

経てしまった、それでも自分の心のままに

ならずお暇申し上げる」という

   人間界での長い年月は天人 にとって

   僅かな時間に当たるはず

それを帝が知り、翁の意を受けて

勇ましい軍勢を送ることとなった

その十五日には、各役所に命じ勅使として

中将高野大国を指名し

六衛府を合せて二千人を竹取の家に派遣する

家に行って、築地の上に千人、建物の上に千人

家の使用人がとても多かったのと合わせて

空いている隙もなく守らせた

嫗は、塗籠[周囲を壁で塗り籠めた部屋]の内で

かぐや姫を抱きかかえている

翁も、塗籠の戸に錠を下ろして戸口にいる

 

かぐや姫

「私を閉じ込めて、守り戦う準備をしていても

あの国の人に対して戦うことはできないのです

弓矢で射ることもできないでしょう

このように閉じ込めていても

あの国の人が来たら、みな開いてしまうでしょう

戦い合おうとしても、あの国の人が来たら

勇猛な心を奮う人も、まさかいないでしょう」という

 

翁は迎えを、長い爪で眼を掴み潰そう

髪の毛を取って引き落とし

尻を引き出して役人たちに見せて

恥をかかせてやろうと腹を立てている

かぐや姫

「大声でおっしゃいますな

屋根の上にいる者どもが聞くと

大層よろしくない

お爺さま、お婆さまのこれまでの

ご愛情をわきまえもしないで

お別れしようとすることが

残念でございます

両親に対するお世話を僅かも致さずに

帰っていく道中も安らかにはなりますまい

あの都の人は、とても清らかで美しく

老いることもないのです

もの思いもありません

そのような所へ行くことも

嬉しいとも存じません」と言った

 

そして子の刻(真夜中頃)

家の周りが昼の明るさよりも光った

大空から人が雲に乗って降りて来て

地面から五尺(約1.5メートル)

くらい上った所に立ち並んでいる

内外の人々の心は

得体が知れない存在に襲われるようで

戦い合おうという気もなかった

何とか心を奮って弓矢を構えようとしても

手に力も無くなって萎えてしまった

気丈な者が堪えて射ようとしたが

矢はあらぬ方へ飛んでいき

ただ茫然とお互い見つめ合っている

王と思われる人が

「造麻呂、出て参れ」と言うと

猛々しかった造麻呂も

何か酔ったような心地になって

うつ伏せにひれ伏している。

 

王は

「お前、幼き者(未熟者

天界と人界では時の感覚が異なり

翁といえど「幼き人」あるいは単に

「幼稚」(=愚かな)の意味)よ。

少しばかり翁が善行を作ったから助けにと

僅かばかりの間ということで姫を下したところ

長い年月の間に多くの黄金を賜って

お前は生まれ変わったように

金持ちになったのだ

かぐや姫は罪を御作りになったので

このように賤しいお前の元に

しばらくいらっしゃったのだ

罪の期限は過ぎた

早くお出し申しあげよ」と翁に言う

が、翁は従わない

  この通りだとすると翁は善人

  姫は罪天人だったんだ・・・

 

屋根の上に飛ぶ車を近づけて

「さあ、かぐや姫。穢れた所(地上)に

どうして長く居られるのでしょうか」と言うと

締め切っていた戸や格子が即座に開いていく

嫗が抱きかかえて座っていたかぐや姫

外に出てしまう

  天人パワーですね

 

かぐや姫

せめて天に上っていくのだけでもお見送り

くださいと言うが翁は泣き伏してしまう

「御心が乱れてしまっている」

と見かねたかぐや姫

「この先、恋しい折々に

取り出してご覧ください」と手紙を書き置いた

天人の中の者に持たせた箱があり

それには天の羽衣が

また別の箱には不死の薬が入っている

一人の天人が姫に

「穢い所の物を召し上がっていたので

ご気分が悪いことでしょう」と言い

薬を持って寄ったのでかぐや姫は僅かに嘗め

天の羽衣を着せようとしていた天人を制し

帝への手紙と歌を書いた

その歌には

 

いまはとて 天の羽衣 着る時ぞ 

   君をあはれと おもひいでぬる

  最後だと

  天の羽衣を着るまさにその時に

   ふとあなたをしみじみと

    思い出してしまうものね

と詠んだ

その手紙に、を添えて頭中将へ渡させた

中将が受け取ると天人がさっと天の羽衣を着せたので

かぐや姫のこれまで翁を痛ましい

愛しいと思っていたことも消えてしまった

この羽衣を着た人は

物思いがなくなってしまうのだったから

かぐや姫は車に乗って昇ってしまった

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帝は手紙を読みひどく深く悲しみ

何も食べず詩歌管弦もしなかった

大臣や上達部を呼び

「どの山が天に近いか」と尋ねると

ある人が駿河の国にあるという山だと言うのを聞き

「会うことも無いので

こぼれ落ちる涙に浮かんでいるような

わが身にとって、不死の薬が何になろう」と詠み

かぐや姫からの不死の薬と手紙を

壺も添えて使者に渡し

つきの岩笠(月世界への思いを表現する

仕事に相応しい氏という人)を召して

それらを駿河国にある日本で一番高い山で

焼くように命じた

 

小さなころ読んだ時と、改めて今読むとでは

随分と「心残り」を感じてしまいます

人間、欲の深さ

それを正そうとする、外からの力・・・

もしかすると、内なる心の力かも・・・

 つづく・・・